先生が生徒を監禁して
中からはシャワーの音。
音を聞きながら、俺はすりガラスに背もたれる。
あくまでも見ないと豪語したからには、この姿勢が一番見えないとなろう。
更には目をつむり、完全に音だけの世界にひたる。
シャワー、髪をあらっているのか、シャンプー、リンス。これら等はあらかじめ用意しといた。
夏川が使うブランドのものだ、差し支えはないだろう。
一通り流れたシャワーが止まる。
次は湯船か、ちゃぽんとより響く音がした。
しばらく待つ。
女性の風呂は長いと知っていたが、夏川はいったいどれほどか。
把握するにはいい機会、しばらく待ち続けようと思った時だった。
「っ……!」
背もたれがなくなった。
否、倒れた。
がしゃんという音。
背中に伝わる痛みに、手を床に置いた愚策からなる痛み。