ありのまま、愛すること。
人間と人間が対等ではないという構図が意図的につくられている空間は、我慢できなかったんでしょう。
とにかく、「ジャパニーズはOKだ」と言われて、のこのこと入場していくような人間では、私はありませんでした。
貧乏旅行でしたし、寝袋を持っていくような旅ですから、観光客が行くようなところにはあまり、足を運びません。
すると、どうしても、表に出ているきれいごとだけではない部分を、見ざるを得なかったのです。
世界を旅しながら、私は国境を意識し、いがみ合う人と人がいることを目の当たりにし、地球がひとつになっていないというのが現実であることを、実感していました。
けれども、ニューヨークに辿りついたとき、グリニッジ・ビレッジという学生街で、あるライブハウスの前で、私は足が止まります。
あれは確か週末、金曜日の夜、人出の多いメインストリートにある「ケニーズ・キャスタウェイ」というライブハウスです。
店の外にまで音楽が鳴り響いている。
ベースとドラムのリズム隊が導く音でした。
非常にパンチのきいた、耳に来る音でしたから、ロックか、リズム&ブルースの曲だったと思うのですが、曲目まではわかりませんでした。
ただ、自然と足が向いたのは、賑やかな学生街のなかでもひと際目立つように浮かんだ看板のネオンの明るさと、そこから聞こえてくるリズム、そして、想像できる店内の喧騒でした。
流行っていそうな店だなとは、外からでも判断できました。
エントランスのドアを開けるとすぐに、左手にはバーカウンターがありました。
その立ち飲み専用のカウンターで、お客さんたちがワンコインでバドワイザーを飲んでいます。
バンドはと思い、人垣の向こうに目をやれば、黒人がリズム隊を担当し、マイクを持つのは白人でした。
客はというと、100人ほどは収容できそうなホールに、こちらもいろんな肌の色の人たちがひしめいていた。
そして、音楽に合わせて肩を揺らし、みなが笑顔を浮かべて、口ずさんでいる。
そう、そこは人種のるつぼだったんです。
とにかく、「ジャパニーズはOKだ」と言われて、のこのこと入場していくような人間では、私はありませんでした。
貧乏旅行でしたし、寝袋を持っていくような旅ですから、観光客が行くようなところにはあまり、足を運びません。
すると、どうしても、表に出ているきれいごとだけではない部分を、見ざるを得なかったのです。
世界を旅しながら、私は国境を意識し、いがみ合う人と人がいることを目の当たりにし、地球がひとつになっていないというのが現実であることを、実感していました。
けれども、ニューヨークに辿りついたとき、グリニッジ・ビレッジという学生街で、あるライブハウスの前で、私は足が止まります。
あれは確か週末、金曜日の夜、人出の多いメインストリートにある「ケニーズ・キャスタウェイ」というライブハウスです。
店の外にまで音楽が鳴り響いている。
ベースとドラムのリズム隊が導く音でした。
非常にパンチのきいた、耳に来る音でしたから、ロックか、リズム&ブルースの曲だったと思うのですが、曲目まではわかりませんでした。
ただ、自然と足が向いたのは、賑やかな学生街のなかでもひと際目立つように浮かんだ看板のネオンの明るさと、そこから聞こえてくるリズム、そして、想像できる店内の喧騒でした。
流行っていそうな店だなとは、外からでも判断できました。
エントランスのドアを開けるとすぐに、左手にはバーカウンターがありました。
その立ち飲み専用のカウンターで、お客さんたちがワンコインでバドワイザーを飲んでいます。
バンドはと思い、人垣の向こうに目をやれば、黒人がリズム隊を担当し、マイクを持つのは白人でした。
客はというと、100人ほどは収容できそうなホールに、こちらもいろんな肌の色の人たちがひしめいていた。
そして、音楽に合わせて肩を揺らし、みなが笑顔を浮かべて、口ずさんでいる。
そう、そこは人種のるつぼだったんです。