ありのまま、愛すること。
肌の色、宗教、みんなそんなこと関係なく、一体となって肩を組み、酒を飲み、歌を歌っていたんです。

つまり、この北半球一周旅行で初めて触れる、国境のない世界。

その光景を目の当たりにしたとき、私はバドワイザーを片手に涙を流し、感激していました。

人間っていいものだなあと、その旅のなかで初めて思えたのです。

そこから1週間ほど、ニューヨークに滞在している期間、毎日通い詰めました。
本当においしいものがあって、いい雰囲気があって、いいサービスがあって、好きな人といっしょにいるときには、人間は“いい人”になり、“やさしい人”に戻る。

表向きは、イヤな奴もいっぱいいるんだろうけれど、掘り下げてみればみな、いい人なんだと。

つまり、こういういいお店というのは、人をおしなべて“いい人”に戻すんです。

そう感じたとき、私は体中に電気が走ったような気がしました。

それと同時に、このライブハウスでの風景に、急にフラッシュバックするものがあることに気づきました。

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