ありのまま、愛すること。
小学校に上がったばかりのことです。
暑い夏の日でした。
家には父と母と私がいて、3人で昼寝をすることになりました。
ところが、私だけどういうわけか、寝つけません。
両隣で寝息を立てている父と母のあいだを抜け出した私は、台所に向かいました。
スイカを切って、父と母に見せて驚かせてやろうと思ったんです。
冷蔵庫から半分に切ってあったスイカを取り出して、まな板の上で切り始めました。
ところが、それが包丁初体験の私は、うまく切れるはずがありません。
勢い余って、添えていた左手の手のひらの、ちょうど小指の下の辺りを切ってしまったんです。
ドクドクと血が流れ、ビックリして私は叫びました。
「お母さん、お母さん、血が出ちゃった。血が出ちゃったよう」
その叫び声に飛び起きた母は、私の手を見るや否や、私以上に慌てふためきました。
「たいへん、たいへん、どうしましょう、どうしましょう……、美樹さん、大丈夫? 大丈夫?」
母の顔から見る見る血の気が失せて、青ざめていきました。
暑い夏の日でした。
家には父と母と私がいて、3人で昼寝をすることになりました。
ところが、私だけどういうわけか、寝つけません。
両隣で寝息を立てている父と母のあいだを抜け出した私は、台所に向かいました。
スイカを切って、父と母に見せて驚かせてやろうと思ったんです。
冷蔵庫から半分に切ってあったスイカを取り出して、まな板の上で切り始めました。
ところが、それが包丁初体験の私は、うまく切れるはずがありません。
勢い余って、添えていた左手の手のひらの、ちょうど小指の下の辺りを切ってしまったんです。
ドクドクと血が流れ、ビックリして私は叫びました。
「お母さん、お母さん、血が出ちゃった。血が出ちゃったよう」
その叫び声に飛び起きた母は、私の手を見るや否や、私以上に慌てふためきました。
「たいへん、たいへん、どうしましょう、どうしましょう……、美樹さん、大丈夫? 大丈夫?」
母の顔から見る見る血の気が失せて、青ざめていきました。