ありのまま、愛すること。
人間というものは、それぞれが、それぞれの人生において「主人公」なのです。

「我以外皆師なり」の心境には凡人はなかなかたどり着けません。

聖徳太子でさえ、「共に是れ凡夫のみ」と言っています。

私たちもここからなら始められる気がしませんか? 

「人皆心有り、心おのおの執ることあり」です。

この気持ちがあれば、人の声を素直に聞くことができるのではないでしょうか。

自分以外の人を、その人の人生のなかでの「主人公」と素直に認められる心、これが「謙虚さ」なのだと思います。

私の手帳の「生きる心構え」のページに、「毎日、心おだやかに、感謝で心をいっぱいにして、ただ相手のことを思い、誠実に、悪口言わず自慢せず、やるべきことをやり抜いて生きる」とテーマが記されています。

この言葉を、1日3回心の中で唱えました。なぜそんなことをするのか、それは、心の底の底にまでこの言葉を浸透させ、潜在意識に落とし込みたいと考えたからです。

それまでの自分を反省したとき、ついつい意識せずに周りの人の欠点を自慢げに指摘している自分を見つけました。

なので、他人の悪口を言ったり、自分を過大に表現することが、生理的に嫌な自分になりたいと思いました。

それで、このテーマを1日3回唱えて、1日3回反省することにしたのです。

反省、反省の毎日です。心の底から発した言葉のみが、相手に伝わるものです。

「言葉の温度」とは、その人の心のあり方そのものだと言えるでしょう。

温かい言葉だけを使いたい。

朝の「おはよう」の挨拶から始まって「おやすみ」のその日、最後の言葉まで、温かい言葉を使って生きていきたいのです。

どんなに厳しい言葉も、その心のなかに相手を思う気持ちがあれば、それは相手にあたたかい言葉として伝わります。

逆もまた「真」なりです。自分以外の人の幸せや喜びを願うところから言葉を発することができたら、どんなに素敵でしょう。

普段何気なく使っている言葉。「今、自分は何の言葉を発したのだろう」とときどき考えてみることが、私たちには必要です。

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