ありのまま、愛すること。
また、次のような手紙とも出会いました。

 ─1854年、アメリカの第14代大統領、フランクリン・ピアスは、インディアンたちの土地を買収し、居留地を与えると申し出ました。

1855年、インディアンの首長シアトルは、この条約に署名。

そのとき、シアトル首長が、大統領に宛てた手紙です。

「大地は、私たちに属しているのではない。私たちが大地に属しているのだ。

あらゆるものがつながっている。私たちが、この命の織物を織ったのではない。

私たちは、そのなかの1本の糸にすぎないのだ。

生まれたばかりの赤ん坊が、母親の胸の鼓動を慕うように、私たちはこの大地を慕っている。

もし私たちが、どうしてもここを去らなければならないとしたら、どうか白い人よ、私たちが大切にしたように、この大地を大切にしてほしい。

美しい大地の思い出を受け取ったときのままの姿で、心に刻み付けてほしい。

そして、あなたの子どものそのまた子どもたちのために、この大地を守り続け、私たちが愛したように愛してほしい。いつまでも、どうか、いつまでも」
さらには、アニメ『河童のクゥと夏休み』という映画とも出会いました。

この映画をつくった原恵一監督と対談する機会に恵まれ、映画を観たのですが、主人公の河童の子ども、クゥのセリフに胸を打たれます。

「そんな生き方をしたら、ご先祖様と子孫に対して顔向けできない」

「今日、私が生きる分だけの糧を与えてください」

この言葉は、もっともっとと、限りない欲望に飲まれてしまう、現代社会を生きる私たちへの、強烈な諷刺の言葉として受け取れました。


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