ありのまま、愛すること。
お金持ちのA君は威張っていて、その島を自分の持ち物のようにして振る舞っています。CO2も出し放題です。

島はその影響で、沈む速度を速めています。

お金のないC君、自分もお金をたくさん得てA君みたいな暮らしをしたいと考えます。

そこで、C君の持っている財産である「自然」をお金に換えようとします。

「自然」が減ると、この島の沈むスピードは加速します。そのことを知って、A君がC君にクレームをつけます。「君は貧乏のままでいなくちゃダメ!」と言われ、C君は納得しません。

話し合いの結果、A君の持っている「お金」をC君に渡すことで、「自然」を守ってもらうことにしました。

みなが、持っているものを対等な立場で出し合っていくこと以外に、この島が沈むのを止められないということに、彼らは気づき始めます。

また、自分の幸せだけを求めれば、結果として自分の幸せにならないことにも。

この本には、幸せは自分だけのものじゃなくて、みなと一緒にある、というメッセージを込めたかったのです。

小さな島ですから、隣の子のことがよくわかります。

病気になれば早く治ってほしいと願うことは当たり前のことですし、ご飯が食べられずに死んでいこうとする隣の子がいて、自分が残すほどのご飯を持っているのなら、分けてあげようとすることは、人として当然の行動です。

関心=愛だと、私は訴えたいのです。人はみな、優しい存在です。

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