午睡は香を纏いて
「あ、危なくないの? それに、王都ってここから遠いでしょ? 馬で行くの?」

「カサネと一緒に自分を転送する。ブランカ程度の距離なら、どうということはないだろ」


この世界でのワープって、あたしの持っているイメージほど難しいものではないのかな?
そういえばリレトも使えたし、ここでは案外ポピュラーなものなのかも。


「自慢じゃないけど、転送が出来るのは神官でもごく少数、数えるほどしかいない。皆ができるものでもないし、仮にサラの記憶が全て戻ったとしても、カサネにはどだい、無理な技だからな」


考えていることを見抜かれた。
って、何もあたしを小馬鹿にした台詞を付け足さなくてもいいじゃないか。



「じゃあ、レジェスが戻り次第、ということで」


むか、とした表情のあたしに気付いていないのか、さっさと話を纏めたカインが、つい、と視線を流した。


「どうかしましたかねえ? 天才神官カイン様」

「なんだか騒がしい。邑の入口の方からだな。レジェスたちか?」


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