午睡は香を纏いて
え、と耳を澄ますと、確かに遠くが騒がしい。


「行ってみるか」


立ち上がったカインについて行く。
レジィかな、よかった、無事に帰ってこれたんだ。

あたしにはお構いなしにすたすた歩いていくカインを小走りで追うと、邑の入口の門扉の前に人だかりが出来ていた。
その中に、セルファの姿を見つけた。
駆け寄って肩を叩く。


「あ、カサネ。来たね」

「騒がしかったから来たんだけど、どうかしたの?」

「ゼフたちがさ、帰ってきたんだって」

「本当!? じゃあ、ライラも一緒だよね?」


ぱ、と心が明るくなる。
ライラたちはずっと戻って来なくて、心配していたのだ。

身代わりなんて恐ろしい真似をさせてしまったのに、あたしだけ先に安全な場所に来てしまったことが申し訳なくて、居た堪れなかった。

早く無事な姿を確認したい。

そして謝らなくちゃ。


「ごめんなさい、ちょっと通して下さい。ごめんなさい」


人の隙間を通って、中心にいる人たちの元へ出た。
数人の男の人たちに混じって、少年の姿に身をやつしたライラがそこにいた。


「ライラ!」

「カサネ様!」



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