午睡は香を纏いて
「神武団の者が十数余。私たち父子の他にもう一人仲間が、レルフがいたのですけど、父とレルフでどうにか切り抜けられました。
けれど父は私を庇いながらでしたから、傷を。レルフも無傷ではすみませんでした」

「一緒にいたのがレルフでよかったねえ」
 

フーダはレルフという人も知っているらしい。


「レルフさんって人も、強いの?」

「ああ。レルフは忍人じゃなくて、窺見なんだけどね。剣の腕は騎士団の連中にも劣らないよ。
しかも体術の心得もある、オルガの逞しい男さ」

「だけど、数が数だったので、苦戦しました。どうにか逃げ切ったものの、二人ともすぐに動ける状態じゃなくて。
近くに町がありましたので、そこに潜み、二人が落ち着くのを待ってから、出発したんです」

「レルフも傷は酷いのかい?」

「利き腕が使えない状態です。傷の具合でいうと、父の方が酷いですが。
背中に大きく一太刀受けたのが重く、数日は起き上がれませんでした」


思い出したのか、ライラはぎゅう、と手を握り締めた。


「ごめんなさい。あたしのせいで、怖い思いをさせたよね。ごめんね」


あたしの身代わりなんてことをしなければ、ゼフさんもレルフさんも怪我しなくて済んだんだ。


「そんなこと。追っ手の目を欺けなかったのが残念ですが、父もレルフも、私も皆こうして無事にここに辿りついたのですから」





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