午睡は香を纏いて
「そうさ。ライラたちがいたからこそ、カサネと長は無事だったんだよ。
とにかく、よかったと思おうじゃないか」

「はい。あ、そうだ。私たち、カレズという町に潜んでいたんですけど、妙な話を聞いたんです」


フーダに背を撫でられていたライラが、思い出したように言った。


「王都から来たっていう商人が酒場にいまして、情報を探る為にレルフが近づいたんです。
そしたら、つい最近異国の服を着た少女が神武団に捕らえられたのを見た、と言うのです。
商人の言うその異国の服装が、カサネ様のお衣装とどうも似ているようでしたので、私の持っていたものを見せ、このような物かと訊いたんです。

そしたら『似ている』って。

どういうことだろう、と思いました」



「あたしの制服に、似ている……?」


この世界と、あたしのいた世界では、服装が全く違う。

あたしの着ていた制服は濃紺のブレザーに、深緑のチェック柄のミニスカート。
女性はロング丈のワンピースやドレスが主流の服飾文化であるここでは、ありえない服装なのだ。

ということは、あたし以外の人間がこの世界に来ているということ?
 
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