午睡は香を纏いて
「あいつならそれくらい容易い。
俺も聞くけど、向こうの世界でカサネの大切な者は誰?
少女というからには、友人かもしれないな」


大切な者。
そう言われて思い描くのは、あたしにはたった一人しかいない。

あたしと同じ制服を着ていた少女というのなら、尚のことだ。


「大事な友達がいる。彼女ならあたしと同じ制服を着てるはず。名前は、莉亜」


莉亜の顔が鮮明に蘇る。笑顔の綺麗な、唯一の友達。

まさか、莉亜がリレトの手に落ちているというのだろうか。
足ががくがくと震える。
あんな恐ろしい人に莉亜が囚われたなんて、信じたくない。信じられない。


「リア、か。そのリアという子が、こちらに連れて来られた可能性が高いな。
リレトの目的は、カサネに対して最大の威力を持つ人質、かな」


考えを纏めるように、カインが言った。

その呟きに衝撃を受ける。


「最大の威力って、何!? そんなことで莉亜が連れて来られたかもしれないの?」


ふざけないで、と叫びそうだった。何の関係もない莉亜が、どうして。





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