午睡は香を纏いて
今すぐにでも莉亜のところに行かなくちゃ。
リレトのところにいるというのなら、一秒でも早く。


「王都にリレトはいるんでしょ? じゃあすぐにそこに行く。莉亜を助けに行く!」

「落ち着けよ。まだそのリア、って子だとは限らないんじゃないの?」


カインに詰め寄るあたしの背中に、セルファの穏やかな声がかかった。


「リレトの策略かもしれないじゃん。現にカサネはこんなに興奮してる」

「策略!? だってリレトはあたしの制服のことなんて知らないはずだよ?」


振り返ると、セルファはスカートを机に置いて、縫製を指で辿りながら言った。


「神官の中には遠見の術が使える奴がいる、って聞いたことがある。
人間一人を無理やり転送するより、カサネのいた世界を遠見する方が絶対に簡単だよ。
そこで目にした服を模写するなんて、尚のこと容易。
複製を作るくらいならオレだって出来るしね。
その可能性はあるよね? カイン」


最後の言葉はカインに向けられていて、カインはそれに頷いた。


「そういうことも、十分ありえる。適当な人間にそれを着せて、一芝居打ったのかもしれない。
何にせよ、ここでうろたえても仕方ない。どうせ数日後には王都に行くんだ。
その時に情報収集しよう」

「でも……、本当に莉亜が連れて来られてたら!? 悠長なこと言ってられないよっ」


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