午睡は香を纏いて
まだくらくらしている頭を押さえながら体を起こした。
皮袋を受け取って、口をつける。

ああ、おいしい。
ふはあ、と肩で息をついた。


「それなりに負担はかかってるよ。
でもまあ動けるかな」

「そっかあ、すごいね」


喉が潤うと、辺りを見渡せる程度の余裕が生まれた。
さっきまでは、ぺた、と地面にくっつけた顔の眼先にある、青い草しか見えない状態だったのだ。


「あれ、カインは?」


木々が立ち並んでいるそこには、セルファとあたししかいなかった。


「向こうにブランカが見渡せる箇所があるんだ。そこにいる。
カサネが動けるようになったら行こうってさ」


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