午睡は香を纏いて
『え……』
二人とも出かけるの? 危険な場所なのに外に行くというの?
顔色を変えたあたしの思いを、セルファは勘違いしたらしい。
優しく頭を撫でた。
『心配しなくても、ここは絶対に安全だから。マダムがいる限り、神武団の奴らはこの建物の中には入ってこない。カサネは安心してこの部屋にいればいいよ』
『違っ、あたしじゃなくて、二人が危ないじゃない!』
さっき、シルヴェーヌさんは夕刻にも一回、と言っていた。
あれが命狩りのことだと分かった今、二人に不用意に外に出てもらいたくなかった。
危険に飛び込むような真似、しないで。
あの恐ろしい悲鳴を二人があげるかもしれない、なんて考えたくもない。
焦って声が大きくなったあたしに反し、カインが静かに答えた。
『そういう危険性は元より承知の上だ。それに、俺たちは簡単には捕まらないから大丈夫だ』
『そんなこと……っ』
そんなこと断言できるはずないじゃない!
引き止めたい一心で、セルファの腕を掴んだ。
少し離れた位置にいるカインに顔を向け、どう止めたらいいか分からずに、ただ駄々っ子のように首を横に振った。
『下っ端の神武団員なんかに命を盗られるようであれば、リレトを殺すことなんか到底できないだろ。だいたい、俺が簡単に後れをとるはずがないだろう。
俺はあいつの骸を拝むまでは、死なん。だからお前は大人しくここで待ってろ』
二人とも出かけるの? 危険な場所なのに外に行くというの?
顔色を変えたあたしの思いを、セルファは勘違いしたらしい。
優しく頭を撫でた。
『心配しなくても、ここは絶対に安全だから。マダムがいる限り、神武団の奴らはこの建物の中には入ってこない。カサネは安心してこの部屋にいればいいよ』
『違っ、あたしじゃなくて、二人が危ないじゃない!』
さっき、シルヴェーヌさんは夕刻にも一回、と言っていた。
あれが命狩りのことだと分かった今、二人に不用意に外に出てもらいたくなかった。
危険に飛び込むような真似、しないで。
あの恐ろしい悲鳴を二人があげるかもしれない、なんて考えたくもない。
焦って声が大きくなったあたしに反し、カインが静かに答えた。
『そういう危険性は元より承知の上だ。それに、俺たちは簡単には捕まらないから大丈夫だ』
『そんなこと……っ』
そんなこと断言できるはずないじゃない!
引き止めたい一心で、セルファの腕を掴んだ。
少し離れた位置にいるカインに顔を向け、どう止めたらいいか分からずに、ただ駄々っ子のように首を横に振った。
『下っ端の神武団員なんかに命を盗られるようであれば、リレトを殺すことなんか到底できないだろ。だいたい、俺が簡単に後れをとるはずがないだろう。
俺はあいつの骸を拝むまでは、死なん。だからお前は大人しくここで待ってろ』