午睡は香を纏いて
『友達のことも、もちろん情報を探ってくるから』

『あ……』


そうだ! 莉亜! 状況に驚きすぎて目的の一つを忘れるところだった。
カインに言われてようやく気付くなんて。


『や、やっぱりあたしも行く』

『ダメだ。足手まといになる』


カインは眉間に深くシワを刻んだ。突き放したような口調に、でも……、と食い下がる。


『でも、あたしも探したいよ!』

『土地勘の全くない者を長く連れ回るのは危険だ。俺たちに任せておけ』

『そうだよ、カサネ。オレもちゃんと調べるからさ、信じてよ』


な? とセルファが取り成すように言う。


『二人のことは、信じてるよ。でも……』

『じゃあ、黙って信じてろ』


ばさりと切り捨てるようにカインが言った。あたしが視線をやれば、ぷいと逸らした。


『この街に怯えてるカサネが役に立つとは思えない。連れて行く理由がない』




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