午睡は香を纏いて
「ど、どうしたの? その格好……」


容姿の変化に加えて、いつもと服装が全く違ったのだ。

セルファは普段はシャツを重ね着し、幅広のゆったりしたパンツを履いている。
それに、ブレスレットやネックレスなど様々なアクセサリーを身につけている。

しかし今は、かっちりとした深緑の制服のようなものを着ていた。

長い丈の上着は、襟元と袖口が黒糸で刺繍が施されている。胸元は刺繍と同じく黒いボタンが二列、規則正しく並んでいた。
右肩には、金糸で紋章のようなものが縫取られている。
よくよく見れば、二匹の蛇が絡まりあっている意匠だとわかった。
腰には細身の鞘が一差し。

制服というよりは、軍服や隊服に近いような……。


「国家騎士団の団服だ。セルファのそれは騎馬を許された二等騎士のものだ」

「へえ、そうなんだ、なんだかかっこいいね……って、わあ!」


セルファの後ろから、カインが顔を覗かせて、説明してくれた。
それに相槌をうとうとして、驚いた。

そのカインも、いつもと全く服装が違ったのだ。

セルファと似たような服なのだが、カインの場合は一目で分かるほどの上質な漆黒の布で仕立てられており、刺繍などといった飾り気が一切ない。
肩から胸ポケットにかけて、細い銀鎖が幾重にも重なるように流れている、それのみが唯一の細工で、しかしそれが衣装を引き立てていた。
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