午睡は香を纏いて
「で? 二人で支え合って何してんだ」

「この子を隣の部屋に連れて行ってあげて。弱ってるのに、会いたいと言ってきかないの」

「そうか。ほら、来い」


言うなり、シルヴァさんはあたしをひょいと抱え上げた。丸太のような太い腕にちょこんと座らされる。
うわ、すごい力。重たくないのだろうか。


「あ、あの」

「頭、気を付けろ」


すたすたと部屋を出て行くシルヴァさん。鴨居に頭をぶつけかけたあたしは、身を屈めてそれをやり過ごした。

木を組んだ建物は、思っていたより広いようだ。オルガのレジィの家よりも大きいかもしれない。
と、ふわりと潮の香りがした気がした。ブランカには港があるし、その近くだろうか。

あたしがいた部屋の隣に、同じように布で仕切られた出入り口があり、そこにシルヴァさんはひょいと入った。
家具のない殺風景な部屋。中央に唯一置かれたベッドに、セルファは眠っていた。背中に傷を負わされたからだろう、うつ伏せの状態だった。


「セルファ!」


声を上げると、シルヴァさんはあたしを下に降ろしてくれながら言った。


「傷のせいで熱が高くてな、満足に寝れてない。静かにしてやれ」

「あ……」


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