午睡は香を纏いて
よたよたと、セルファのベッドに近づいた。熱が高いと言うのに、真っ青な顔。血を失いすぎたのだろうか。
しかし、頬に手を当てたら、驚くくらい熱い。熱っぽい、短い呼吸が指先に触れた。


「死にはしない。数日もすりゃ落ち着くだろう」

「セルファ……」


よかった、生きてる……。涙があふれた。

あの時、死なせてしまう、と絶望した。
それがこうして生きていてくれていることが、ただ嬉しい。

と、目尻に花が戻っているのに気が付いて、熱くなっている花に指を這わせた。
今は花芯はないけれど、しっかり存在する紫の花。
セルファのペラグリア。また見ることができてよかった。


「……ペラグリア?」


この花の名前、だっけ? あたし、誰かに教えてもらったっけ?


「……ん……、ぅ」

「セルファ!?」


形の良い眉が歪められた。苦しそうに深く息を吐く。きつく閉じられていた瞼がうっすらと開いた。


「セルファ!」

「あ……、カサ……? よか……、無事」



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