午睡は香を纏いて
「あ、はい。ええと、」

「ああ、起き上がらないで、そのままでいいわ。貴方も随分弱っているんだから」


体を起こそうとしたあたしを、占い師が止めた。


「体力も回復していないはずよ。吐き気はない?」

「……あ、今の、ところ、は」


と答えつつも、本当は胸元に不快感が襲ってきていた。
セルファが無事だったことに、安心してしまったからだろうか。体は酷く重たくて、指先一つ、動かすのがきつかった。


「これ、口に入れておきなさい。ゆっくり噛むのよ」


口に、何かを押し込まれた。広がる甘酸っぱさは、ルドゥィだった。


「あ。ありがとうございます」
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