狼少女と王子様

「あれ?茜?」

考えながら歩いていたから
目の前の海に気づかなかった


海と会ったのは
私が逃げるように帰った日以来


気まずいなぁ

海は気にしていないみたいだけど


私は内心ヒヤヒヤしながら
一緒に歩く


「あの、海。」

「ん?」


海のいつもの笑顔

私らしくない

こんなにキュンとするなんて


いわなきゃ

「この間はごめん。」

思わず足を止めて頭を下げる


いくら渓にみえて嫌だったからって
逃げたのは最低だった


謝ろうと思っていたけど
いつもタイミング悪く

いや、狙われて?


声すらかけられなかった


今、海がどんな顔をしているか分からなくて


怖くて顔があげられない

馬鹿みたい


弱い私

醜いな。
< 99 / 100 >

この作品をシェア

pagetop