狼少女と王子様
「あれ?茜?」
考えながら歩いていたから
目の前の海に気づかなかった
海と会ったのは
私が逃げるように帰った日以来
気まずいなぁ
海は気にしていないみたいだけど
私は内心ヒヤヒヤしながら
一緒に歩く
「あの、海。」
「ん?」
海のいつもの笑顔
私らしくない
こんなにキュンとするなんて
いわなきゃ
「この間はごめん。」
思わず足を止めて頭を下げる
いくら渓にみえて嫌だったからって
逃げたのは最低だった
謝ろうと思っていたけど
いつもタイミング悪く
いや、狙われて?
声すらかけられなかった
今、海がどんな顔をしているか分からなくて
怖くて顔があげられない
馬鹿みたい
弱い私
醜いな。