マイ・シュガーランド
聞き慣れた声に顔を上げる。
―――――彼、だ・・
彼は仕事へ行くのか、いつもよりキレイめな格好をしてマンションの階段から降りてきた。
「・・・・・あ…」
言葉が出ない。
「菜々子…だよ、な?」
「・・・」
言葉が出てこなく、コクンと頷く。
「うわ―――っなに!
めっちゃ可愛くなってんじゃん!!どうしたんだよ!!」
――――え?
「てか、まだ東京にいたんだ?
こんな綺麗になっちゃって、なんか仕事はじめたの?風俗か?」
アハハ、と手を叩きながら楽しそうに笑う彼は・・
わたしの知らない人だ―――