マイ・シュガーランド



彼は…

わたしを騙して、た…?


二人で暮らそうっていうのは、始めからあの女とのことで・・

お金だけが目当てでわたしとの関係を続けて・・


用が済んだから…
捨てられたって、こと・・?




重い頭を上げ、彼を見ると――――



「ごめん、ね?」




全く悪びれもしない態度で、笑顔でそう言った。




「まさか取りにくるとはな―?」



「・・・え?」



「ケータイ!
あんな捨てられ方したくせにまさか会いに来るとはな―

賭けてたんだよ、
来るわけないってさ。」




言葉も、涙も出ない。

身体が鉛のように重い。


彼に捨てられたあの日みたいだ・・

いや、あれ以上だ・・・



「来なかったら、本当のこと知らずにすんだのに。

お前さ、本当にいい女だったよ。最高。

俺の言うこと全て信じきってさ~
普通は気付くよ、さすがに。」



彼の笑い声が頭に響く。




「あ、ていうかさ
菜々子、本当に可愛くなったよ。見違えた。
また2番目になっちゃうけどさ、また付き合ってやってもいいよ?」





逃げたい、早くこの場を去りたいのに・・



身体が動かない―――






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