マイ・シュガーランド



「お前・・」



柘植さんは今にも殴りかかりそうな勢いで彼の方へ足早に近づく。


左手を握られたままのわたしも必然的に彼に近づく。



わたしは見たくもない彼の姿に、思いきり顔を俯かせた。






「携帯あったよ~
・・・て!!

ええっ?!
つ、柘植ちゃん?!」



緊迫した空気の中、突如、甘ったるい声が響いた。




「なんで!!なんで柘植ちゃんがいるのぉ?
うそ―――っ!超ファンなの!
キャ――――っ
かっこいい!!」



一人、興奮する彼女。



彼女が柘植さんの目の前に来た瞬間、左手が離された。










「君、かわいいね!
連絡先きいてもいい?
今度、遊びにいかない?」



――――――はいぃ??




「えっっ!うそぉ!
嬉しいです~~!!」



―――――なに?どうゆうつもりなの・・柘植さん…?




柘植さんはいつもの優しい笑顔で。


彼女はそんな柘植さんに目がハートになってて・・。



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