マイ・シュガーランド
「なっちゃん。
感謝してるのは俺の方だよ。」
「・・え?」
「あ―――…
時間、ヤバイな。
残りのケーキ食べちゃっていいから。
準備してくる!」
時計に目をやると夕方の6時すぎ。
・・・ていうか…
「柘植さん!!
寝てないですよね??
今からまた仕事なんですか??」
「今から打ち合わせで、そのあと収録1本とラジオ1本。」
「―――!!
す、すみません…
貴重な睡眠時間をあんな事なんかで・・」
「あんな事なんかじゃないよ。
なっちゃんが1歩踏み出す大事なことだったでしょ。
それに寝ないで仕事なんて良くあることだから慣れっこだよ。」
柘植さんは慌ただしく準備をしながらも、わたしの目をしっかり見ながら笑って話してくれる。
「・・・あの、
ひとつ、聞いてもいいですか…?」
「ん?なに?」
そう、わたしにはものすご―――く気になる素朴な疑問があったのだ。
「柘植さんは・・
なんていうか…その…
消えたりできちゃうんですか・・?」
「・・・え??」