マイ・シュガーランド
部屋が静まり返る。
腕は背中に回されたまま、至近距離で柘植さんと見つめ合う。
「―――あ…
ご、ごめんなさい・・」
「いや、いいんだ。」
笑顔のまま、腕の力を緩め、わたしを解放した柘植さん。
一気に身体が冷たくなる気がした。
「誕生日、嫌いなんだ。」
「…嫌い?」
「複雑な家庭って言ったでしょ?
祝うなんて、とんでもない話し。
むしろ生まれてきた事を懺悔しろって言われてきたからね。」
――――聞いただけでも胸が引き裂かれる気分だった。
柘植さんは相変わらず笑っているけど・・
その笑顔は・・・