マイ・シュガーランド
「柘植さ・・・」
「なっちゃん。」
わたしがなにを言うか察知した柘植さんは、阻止するように強い口調で名前を呼んだ。
「気付いたとしても、気付かないフリをすることも大事だよ。」
「―――え…?」
「今日はここまで!
明日、早いんだ。6時にはマネージャーが迎えにくるんだよな~」
溜め息をつきながら笑ってわたしの顔を覗きこむ柘植さん。
さっきまでの緊迫した空気はなく、柘植さんの醸し出す温かい空気に変わった。