マイ・シュガーランド



甘えるように強く抱き寄せる柘植さん。



それは本当の恋人同士のようで、錯覚してしまう。



気持ちがなくてもこんな愛しそうに抱き締めることができるんだ。


男の人って・・

愛がなくてもヤレちゃうって聞いたことあるし。


彼も・・そうだったのかな・・・





「なっちゃん?」


息のかかる距離で柘植さんの声がする。


いつの間にか腕枕をされていて、至近距離で目が合う。



柘植さんの瞳に映る自分の顔。


こんなにも誰かと見つめ合ったのは、初めてかもしれない。





「甘い、匂いがする。」



「・・・え?」



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