マイ・シュガーランド
「なにもつけてないよね?」
「はい・・」
「綿菓子みたいな、甘い匂い。」
―――それ、さっきわたしが感じた柘植さんの香り・・
ふいに目をそらした柘植さんはわたしの耳元に顔を埋めた。
「―――っ!!??ひゃあっっ!!!」
耳と首に感じる柘植さんの体温。
柔らかい唇が一瞬、触れたように感じた。
「やっぱり!なっちゃんから甘い匂いする。」
赤面しているわたしとは対照的に子供のように笑いながら柘植さんは言う。
「女の人ってさ、自分の香りを残そうって香水やらクリームやらをたくさんつけてベットに来るんだよね。
この香りがしたら自分を思い出して、みたいな。
ヤッてる途中で吐きそうになるときあるし。
なっちゃんはそのままでも甘い匂いがするからいいね。」
ニコニコと無邪気に話す柘植さんだけど・・
きっと、わたしとの間に線を引いたんだ。