白銀の翼~白銀の彫刻と金の瞳の乙女~
セラ…そこにいる

…」

半分泣き出しているロワは意

味もなくてをバタバタしてい

る。その度に両手の鎖がうる

さく鳴るがタランは起きる気

配もない。気持ち良さそうに

寝入ってる。

「平気よ」

さらりと言ってのける。そし

て軽くポンと足でタランの足

に蹴りを入れる。

ここの奴隷服は胴を隠すだけ

の服装、だから腕と足は丸出

し状態だ。おかげで冬は凍死

しそうになる。けれどその時

期はお情けで薄い布を肩に軽

く巻くようにくれる。

リセラの蹴りを喰らったタラ

ンは呻きながら体を起こした。
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