黒き藥師と久遠の花【完】
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
翌日になり、みなもは一人で城下街に出かけた。
諦め半分で「気分転換したいから、外出させて欲しい」と言ったみたところ、予想外にあっさりとナウムは認めてくれた。
何があっても今は逃げないだろうという自信もあるだろうが、ナウムはバルディグの諜報員を束ねていると聞いている。おそらく城下街にも諜報員がいて、こちらを監視しているのだろう。
今はバレて困ることをする気はないから、見張りたければ見張ればいい。
みなもは半ば開き直って、街をゆっくりと見回しながら歩いていく。
まだ晴れの日の昼間でも寒い。そのせいで行き交う人は誰もが何重にも服を着込んでいる。
住むには辛い風土ではある。ここに自分が居続けるのを想像すると、少し気が重くなる。
ただ、昨日は馬車の中からで気付かなかったが、彼らの表情はどこか活き活きとしており、街の中も活気づいていた。
不思議に思いながら街を探索していると、通りの左右に店が絶え間なく並んだ市場に着いた。
露店が多く、みなもは薬草が売っている店はないかと探してみる。
と、専門ではないものの、青果や山菜が並ぶ中に薬草を置いている店を見つけた。
みなもが店の前まで来ると、口元に深く刻まれた皺と、大きく丸い目が特徴的な中年女性が「いらっしゃい」と声をかけてきた。
翌日になり、みなもは一人で城下街に出かけた。
諦め半分で「気分転換したいから、外出させて欲しい」と言ったみたところ、予想外にあっさりとナウムは認めてくれた。
何があっても今は逃げないだろうという自信もあるだろうが、ナウムはバルディグの諜報員を束ねていると聞いている。おそらく城下街にも諜報員がいて、こちらを監視しているのだろう。
今はバレて困ることをする気はないから、見張りたければ見張ればいい。
みなもは半ば開き直って、街をゆっくりと見回しながら歩いていく。
まだ晴れの日の昼間でも寒い。そのせいで行き交う人は誰もが何重にも服を着込んでいる。
住むには辛い風土ではある。ここに自分が居続けるのを想像すると、少し気が重くなる。
ただ、昨日は馬車の中からで気付かなかったが、彼らの表情はどこか活き活きとしており、街の中も活気づいていた。
不思議に思いながら街を探索していると、通りの左右に店が絶え間なく並んだ市場に着いた。
露店が多く、みなもは薬草が売っている店はないかと探してみる。
と、専門ではないものの、青果や山菜が並ぶ中に薬草を置いている店を見つけた。
みなもが店の前まで来ると、口元に深く刻まれた皺と、大きく丸い目が特徴的な中年女性が「いらっしゃい」と声をかけてきた。