黒き藥師と久遠の花【完】
「みんな、みなもから離れて! そうしないと――」
「もう遅いよ、姉さん」
いずみの声に遅れて、みなもの体から甘い香気が漂う。
匂いに気づいた男たちが、怪訝そうな表情を浮かべる。
だが、次第に彼らの顔に脂汗が滲み始めた。
「な、何だ、この体の痺れは? まさか……」
「安心して。単に痺れて動けないだけで、死ぬことはないから」
みなもが再び一歩踏み出そうとした時、男たちの体が前に出ようとする。
しかし動いた瞬間に彼らの体は大きく揺れ、床に崩れ落ちた。
腕輪の石は、麻痺の毒を固形物にした物。
これを『守り葉』が口にすれば体の血が反応して、体中から毒が放散される。
男たちが倒れ、どうにか動こうと体を震わす中。
いずみだけは自分の足で立ち、こちらを見据えていた。
みなもは薄い苦笑を浮かべ、いずみへ足を向けた。
「やっぱり姉さんは『久遠の花』だから、耐性はあるんだね。でも、少しは効いているんじゃないかな」
一歩近づくと、いずみが重い足取りで一歩下がる。
「ダメ……私から力を奪わないで」
「ごめん、姉さん。俺はこのまま見て見ぬふりはできない」
早くやらなければ、新たな護衛やナウムが現れてしまう。
みなもは間を縮めようと、駆け出そうとする。
しかし、どうにか立ち上がった護衛たちが、みなもの前に立ちはだかる。
命をかけて姉を守ろうとしてくれているのは嬉しいが、今は単なる厄介なものでしかなかった。
一つ、二つと、鈍い動きで短剣が振り下ろされる。
みなもは目を細め、冷ややかな表情を見せる。
「邪魔だ。そこで寝ていてくれ」
刃の間を縫って、みなもは相手の懐に素早く飛び込む。
と、彼らの手を叩き、短剣を床へ落とす。
それでも諦めず、体を張ってこちらにしがみつこうとした男を、みなもは容赦なく蹴り倒した。
「もう遅いよ、姉さん」
いずみの声に遅れて、みなもの体から甘い香気が漂う。
匂いに気づいた男たちが、怪訝そうな表情を浮かべる。
だが、次第に彼らの顔に脂汗が滲み始めた。
「な、何だ、この体の痺れは? まさか……」
「安心して。単に痺れて動けないだけで、死ぬことはないから」
みなもが再び一歩踏み出そうとした時、男たちの体が前に出ようとする。
しかし動いた瞬間に彼らの体は大きく揺れ、床に崩れ落ちた。
腕輪の石は、麻痺の毒を固形物にした物。
これを『守り葉』が口にすれば体の血が反応して、体中から毒が放散される。
男たちが倒れ、どうにか動こうと体を震わす中。
いずみだけは自分の足で立ち、こちらを見据えていた。
みなもは薄い苦笑を浮かべ、いずみへ足を向けた。
「やっぱり姉さんは『久遠の花』だから、耐性はあるんだね。でも、少しは効いているんじゃないかな」
一歩近づくと、いずみが重い足取りで一歩下がる。
「ダメ……私から力を奪わないで」
「ごめん、姉さん。俺はこのまま見て見ぬふりはできない」
早くやらなければ、新たな護衛やナウムが現れてしまう。
みなもは間を縮めようと、駆け出そうとする。
しかし、どうにか立ち上がった護衛たちが、みなもの前に立ちはだかる。
命をかけて姉を守ろうとしてくれているのは嬉しいが、今は単なる厄介なものでしかなかった。
一つ、二つと、鈍い動きで短剣が振り下ろされる。
みなもは目を細め、冷ややかな表情を見せる。
「邪魔だ。そこで寝ていてくれ」
刃の間を縫って、みなもは相手の懐に素早く飛び込む。
と、彼らの手を叩き、短剣を床へ落とす。
それでも諦めず、体を張ってこちらにしがみつこうとした男を、みなもは容赦なく蹴り倒した。