黒き藥師と久遠の花【完】
クリスタは慎重に首飾りを手にすると、みなもの背後へ回ってつけようとする。
じゃらり、と首に重みがかかった瞬間、背筋に悪寒が走った。
顔は見られないが、おそらく冷めた目でこちらを見ているのだろう。刺々しさと、妙に張り詰めた空気を感じる。
考えすぎかもしれないが、クリスタに命を握られているような気がして怖かった。
こちらの不安をよそに、クリスタの手によって他の装飾品も体に取り付けられる。
見た目は美しいが、ジッとしていると肩や手首、耳たぶに微痛が広がる。
王侯貴族の女性たちは、常にこんな装飾品を身につけている。優雅に振る舞っている裏側では、痛みに耐えているのかと思うと感心してしまう。
――こんな煩わしい思いをしながらでも、美しく装いたいのかと半ば呆れもするが。
女神役をまっとうすれば、自分が死ぬまで無縁の代物。今だけの辛抱。そう考えると気は楽になった。
一通り身に付けたみなもから少し離れ、エマや針子たちがこちらを眺める。
「思った通り、みなもさんにとてもよく似合っていますわ。きっと例年にないほど素晴らしいパレードになりそうね」
じゃらり、と首に重みがかかった瞬間、背筋に悪寒が走った。
顔は見られないが、おそらく冷めた目でこちらを見ているのだろう。刺々しさと、妙に張り詰めた空気を感じる。
考えすぎかもしれないが、クリスタに命を握られているような気がして怖かった。
こちらの不安をよそに、クリスタの手によって他の装飾品も体に取り付けられる。
見た目は美しいが、ジッとしていると肩や手首、耳たぶに微痛が広がる。
王侯貴族の女性たちは、常にこんな装飾品を身につけている。優雅に振る舞っている裏側では、痛みに耐えているのかと思うと感心してしまう。
――こんな煩わしい思いをしながらでも、美しく装いたいのかと半ば呆れもするが。
女神役をまっとうすれば、自分が死ぬまで無縁の代物。今だけの辛抱。そう考えると気は楽になった。
一通り身に付けたみなもから少し離れ、エマや針子たちがこちらを眺める。
「思った通り、みなもさんにとてもよく似合っていますわ。きっと例年にないほど素晴らしいパレードになりそうね」