黒き藥師と久遠の花【完】
(……ボスに会うのを怖がっているのか)
こんな連中から気が短いという言葉が出る位だ。ちょっとしたことでも手が出る男なのだろう。
もしかするとクリスタは脅された時、ゲイル自らひどい暴力を振るわれたのかもしれない。
思わずみなもは「待ってくれ」と口を開いた。
「頼む、俺をクリスタさんよりも前に行かせて欲しい」
クリスタを人質に取られている以上、容易に毒は使えない。けれど、手を出してきた時に彼女を庇うことはできる。
周りから「自分の立場、分かってんのか?」と嘲笑混じりの声が飛び交う。
しかし、そんな彼らの声に構わず、みなもは目に力を込めてキリだけを見つめる。
クッ、とキリから小さく押し殺した笑う声がした。
「それぐらいなら構わねぇ、好きにしな」
かすかに不満そうな空気が流れたが、隣にいた男が舌打ちして「行けよ」とみなもを突き飛ばす。
危うく前へ転びそうになり――刹那、キリが腕を伸ばしてみなもの肩を支えた。
こんな連中から気が短いという言葉が出る位だ。ちょっとしたことでも手が出る男なのだろう。
もしかするとクリスタは脅された時、ゲイル自らひどい暴力を振るわれたのかもしれない。
思わずみなもは「待ってくれ」と口を開いた。
「頼む、俺をクリスタさんよりも前に行かせて欲しい」
クリスタを人質に取られている以上、容易に毒は使えない。けれど、手を出してきた時に彼女を庇うことはできる。
周りから「自分の立場、分かってんのか?」と嘲笑混じりの声が飛び交う。
しかし、そんな彼らの声に構わず、みなもは目に力を込めてキリだけを見つめる。
クッ、とキリから小さく押し殺した笑う声がした。
「それぐらいなら構わねぇ、好きにしな」
かすかに不満そうな空気が流れたが、隣にいた男が舌打ちして「行けよ」とみなもを突き飛ばす。
危うく前へ転びそうになり――刹那、キリが腕を伸ばしてみなもの肩を支えた。