黒き藥師と久遠の花【完】
取り引き?
毒針を持った手を上げようとして、みなもは思いとどまる。
同じように声を落とし、『分かった』とみなもが呟くと、キリは前から抱き締める形を取って体を密着させてきた。
『悪いな、こうでもしないと腹を割って話ができねぇ。ゲイルは疑り深いからな、部下を使ってオレを見張っているハズだ。今も扉の前で聞き耳を立ててるかもしれん』
今のところ、扉の向こうから気配は感じられない。だが、十分考えられる話だ。
みなもが頷いてみせると、キリは「良い子だ」とこちらの腰に手を回し、ベッドへ移動する。
もしかすると、油断させるための演技かもしれない。
いつでも攻撃に転じられるよう毒針を指で挟んだまま、みなもはキリの動きに合わせた。
と、おもむろにキリがみなもをベッドへ押し倒し、間髪入れずに上へのしかかって来た。
急な重みに鼓動が驚き、大きく脈打つ。
息が詰まって思わず眉間に皺を寄せると、キリが「あ、悪ぃ。力が入り過ぎた」と軽く流し、人の頭を撫でてきた。
『不要に触るな。さっさと要件を言え』
我慢できずにみなもが話を促すと、キリは息をついてから耳元で囁いた。
『ここの連中には、オレの目的はアンタだと言ってあるが……本当はオレの獲物はアンタでも、女神の衣装でもない』
『何だって? 一体何を狙ってる?』
毒針を持った手を上げようとして、みなもは思いとどまる。
同じように声を落とし、『分かった』とみなもが呟くと、キリは前から抱き締める形を取って体を密着させてきた。
『悪いな、こうでもしないと腹を割って話ができねぇ。ゲイルは疑り深いからな、部下を使ってオレを見張っているハズだ。今も扉の前で聞き耳を立ててるかもしれん』
今のところ、扉の向こうから気配は感じられない。だが、十分考えられる話だ。
みなもが頷いてみせると、キリは「良い子だ」とこちらの腰に手を回し、ベッドへ移動する。
もしかすると、油断させるための演技かもしれない。
いつでも攻撃に転じられるよう毒針を指で挟んだまま、みなもはキリの動きに合わせた。
と、おもむろにキリがみなもをベッドへ押し倒し、間髪入れずに上へのしかかって来た。
急な重みに鼓動が驚き、大きく脈打つ。
息が詰まって思わず眉間に皺を寄せると、キリが「あ、悪ぃ。力が入り過ぎた」と軽く流し、人の頭を撫でてきた。
『不要に触るな。さっさと要件を言え』
我慢できずにみなもが話を促すと、キリは息をついてから耳元で囁いた。
『ここの連中には、オレの目的はアンタだと言ってあるが……本当はオレの獲物はアンタでも、女神の衣装でもない』
『何だって? 一体何を狙ってる?』