夏の空を仰ぐ花 ~太陽が見てるからside story
惨めになった。
苦しくて、どうにかなるんじゃないかって、立っていることさえ苦痛だった。
心臓がズキズキ痛む。
目には見えないのに、あたしと補欠に溝ができてどんどん広がって行くのが、手にとるように分かる。
いつも優しい目をする補欠も、静かな空気を漂わせる補欠も。
今はどこにも居なかった。
「まじでイラつく」
泣きたくなる。
人を矢で射抜くような、鋭くて冷血な目の補欠を見たのは初めてだった。
いつも、そこにいる人を包み込むような優しい目を、補欠はしているのに。
そうか。
あたしが、こんな目にさせてんのか……。
「あ、そりゃ失礼しましたね!」
でも、今更もう後には引けなくなっていた。
売り言葉に、買い言葉。
「まあ、あたしにゃ、関係ないことだからさ」
大ありのくせに。
「仲良くやっちゃって!」
ぶっきらぼうに吐き捨てて、
「どいて!」
「いでっ」
呆然と突っ立っていた健吾を突き飛ばして、パイプ椅子にどっかり座った。
涙が出そうで、慌てて唇を噛む。
嫌。
絶対に嫌だ。
仲良くやっちゃっわれたら、困る。
あたし以外の女は……見て欲しくない。
でも、あたしが撒いた種は一気に花開いてしまった。
芽が出て、茎が伸びて、蕾になる。
その行程を無視するように、一気にバアッと。
苦しくて、どうにかなるんじゃないかって、立っていることさえ苦痛だった。
心臓がズキズキ痛む。
目には見えないのに、あたしと補欠に溝ができてどんどん広がって行くのが、手にとるように分かる。
いつも優しい目をする補欠も、静かな空気を漂わせる補欠も。
今はどこにも居なかった。
「まじでイラつく」
泣きたくなる。
人を矢で射抜くような、鋭くて冷血な目の補欠を見たのは初めてだった。
いつも、そこにいる人を包み込むような優しい目を、補欠はしているのに。
そうか。
あたしが、こんな目にさせてんのか……。
「あ、そりゃ失礼しましたね!」
でも、今更もう後には引けなくなっていた。
売り言葉に、買い言葉。
「まあ、あたしにゃ、関係ないことだからさ」
大ありのくせに。
「仲良くやっちゃって!」
ぶっきらぼうに吐き捨てて、
「どいて!」
「いでっ」
呆然と突っ立っていた健吾を突き飛ばして、パイプ椅子にどっかり座った。
涙が出そうで、慌てて唇を噛む。
嫌。
絶対に嫌だ。
仲良くやっちゃっわれたら、困る。
あたし以外の女は……見て欲しくない。
でも、あたしが撒いた種は一気に花開いてしまった。
芽が出て、茎が伸びて、蕾になる。
その行程を無視するように、一気にバアッと。