夏の空を仰ぐ花 ~太陽が見てるからside story
「できないよ、そんなこと」


そんなことって……。


「何で……両想いだべ。付き合わない方が不自然だろうが」


言い合うあたしとあっこは、お互いに感情をエスカレートさせていった。


「付き合わない方が、相手のためになることだってあるよ!」


「いやいやいや! 意味が分からん。さっぱり分からん!」


あたしが両肩に掴みかかると、


「だって! 好きな人を困らせたくないんだもん! 悩ませたくないもん!」


あっこは目に涙をためて、キッとあたしを睨んだ。


「だから、一生言わないって決めてたのに。我慢してたのに……頑張ったのに」


次第にあっこの声が震えだした。


「だって、私もうすぐ」


あたしはあっこを見つめなら、ごくっと息をのんだ。


へんに緊張していた。


「いなくなるから」


……え?


その時、空気の読めないふたりが教材室に飛び込んで来た。


「あー! いたいた! 翠とあっこ」


先に赤毛の結衣が、続いて明里だった。


「探した探した。ホームルーム始まるぞ。もうみんな揃ってんですけど」


ふたりの姿を見たあっこは、あたしからパッと離れて、両目をぐいっとこすった。


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