夏の空を仰ぐ花 ~太陽が見てるからside story
桜花
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南








「5回裏が終わって、7対4で桜花大附属が3点のリード」


先輩の声とともに画面はシャンプーのCMに切り替わった。


だけど、あたしは画面から目を離そうとしなかった。


離せなかった。


「どうなってんの……」


あたしがのうのうと眠り続けている間に、大変な事になっていたのは確かだった。


「今、桜花と南高が試合してんの?」


「うん、そう」


「先輩……」


「うん」


「てか、今日、何日目で、何試合目なの?」


一体、どうなってんのさ。


先輩がテレビ画面を見つめながらパイプ椅子に座った。


「信じらんねえよな。今日、準決勝だよ」


賑やかなCMが流れる画面を見つめながら、先輩が呟くように言った。


「今日、桜花に勝てば、明日、決勝なんだ」


背中が、ぞくっとした。


「……え……決勝……」


うん、と相澤先輩がしっかりと頷いた。


「南高な、ノーシードからここまで際どい試合乗り越えて、勝ち上がってきたんだ」


夏井ひとりの肩と、みんなの援護でな。


そう言って、先輩は満開の花火のような笑顔を見せた。


「うそ……まじかよう……」


胸がいっぱいで、うまく声が出なかった。


「ホント。翠ちゃんが眠ってる間、大変な事になってたんだ。あの南高がさあ……夏井が、こんなとこまで勝ち進んできやがった」

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