導光


「晃子ちゃん、どうだった?」




「晃子!私も気になる!」




教室へ戻ると満里奈と奏が
わくわくしながら尋ねてくる。




「めっちゃ普通やったで。
背もそんな高くないし
顔も中の中の上くらい。」




「そうなん?
背高い人が良かったー」




奏が残念そうに呟く。
だから先生の背とかほんと
どうでもいいことだよね?




「なあ、折角最初の授業やし
先生も新任やねんからさ
質問タイム作らへん!?」




そう弾んだ声をあげたのは
黒山りん(クロヤマリン)
私の嫌いなタイプをそのまま
現実のものとしたような奴。




大企業の社長を父に持ち
自分こそがお嬢様であると
信じて疑わないその態度。
見てて虫酸がはしる。


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