Love.Love.Loving!
怖い、と思った希唯君の怒りだけしか伝わってこなかった瞳や表情に、希唯君が言葉を紡ぐ度に〝悲〟の色が浮かんできて。
最後は不安げに、すっかり怒りが消えた揺れる瞳であたしを逸らすことなく見つめて聞いてきた希唯君にあたしは、
『――っゔ、ゔん。し、しんじ…っる、う〜…』
そう言っていた。
だけどぼろぼろ、再び大粒の涙を零しながら、まぬけなタコの口健在中なまま返事をしたあたしはきっと相当かっこ悪い。
希唯君が紡ぐ言葉一つ一つが、あたしの胸にぐさりと突き刺さった。痛い、なんてもんじゃない痛みが次々とあたしを襲って。
全部、希唯君の言う通りだ。
左手薬指の指輪の存在で彼女がいると思っていたあたしは、本気で伝えてくれていた希唯君の気持ちを一度は流されかけたけど、あとは否定し続けた。
全部嘘だって、信じようとしなかった。
頭の悪いあたしは、ただひたすらそれ――否定することと自分のことばっかりで。
なんでなんて疑問を持っても、理由があるなんて思わず勝手に希唯君を彼女がいるのに最低な人、なんて軽蔑して決めつけて。
本当は最低で軽蔑するのは希唯君とあたし、じゃなくて、あたし一人だけだったのに――なんで、あたしってこうなのかなぁ。
いつだってあたしの思考はマイナスの方に向いたらマイナスのまま下降していく。
プラスには傾きもせず、結果、家族や響と奏君に面倒がかかって、そして面倒は希唯君にも及んでしまった。