Love.Love.Loving!
他の女の子からしたら男の子を呼び捨てにすることに恥じらいを持つあたしはきっと変なんだろう。
でも、だけど。
呼び捨てとか、まず男の子自体に免疫がないあたしにとっては恥ずかしいことなのだ。恥ずかしいっていうより照れてしまう。
だから今抱きしめられてるのだって本当はいっぱいいっぱいだし。希唯って呼び捨てにしたのだってめちゃくちゃ頑張った。
それなのに、言わせたあとに気が変わったなんて。
酷い、と思う気持ち。ムカムカする感情。それが合わさって、はらはらと零れ落ちる涙になった。
『…っふえ、もう希唯君なんか、嫌いぃー…』
「は!?嫌い!?つか、なんで泣いて、」
『バカバカバカー…。触ん、ないでぇ…』
「ちょ、香彩痛い」
『嫌い!嫌いだもん…っ』
「…っ!!」
希唯君の口から小さな悲鳴。だってあたし、希唯君の指、思いっきり噛んでやったんだもん。
お腹に回っていた腕が離れて。その手が上にきたから、すかさず手に取ってがぶりといってやった。
自業自得だ…っ。バカ希唯君…。