Love.Love.Loving!
襲う痛みに悶える希唯君のお腹に回るもう片方の腕の力がゆるゆるに弱くなる。
その隙、絶好のチャンスに逃げなくてどうするって話で。
希唯君の腕を持って自分から離しながら希唯君の腕の中から脱出したあたしは、「希唯君のバーカッ」いーっと歯を見せ挑発。した、けど。
『(ひゃ…っ!)』
痛みに悶えていたはずの希唯君からまさかの弓矢並みに鋭い睨みがプレゼントミー。怖い怖い怖い!
挑発したあとに後悔。あたしって、どんだけ怖いもの知らず…。
希唯君に挑発できた数秒前のあたしは自分で思う。強いと。
「…香彩、許さねぇ」
『(ぎゃ…っ!)』
まだ、痛いのだろうか。眉間にグッとシワを寄せて、睨んでくるブラウンの瞳健在な希唯君が口を開く。
開くけど、距離を取るあたしに近づいてこようとはしなくて。
…え、希唯君ってば、あたしが逃げるはずないとか思っちゃったりしてる…?
近づいてこない希唯君の心を読んだあたしは、『に、逃げるんだから…っ』希唯君のたぶん自信たっぷりだったはずの予想を裏切って逃走宣言。