Love.Love.Loving!

東校舎からあたしのクラス、2年3組までは結構な距離。

希唯君から逃げるために走ってきたけど、走るのがそんなに得意じゃない――…というか100個じゃ足りないくらい超がついちゃうほど苦手(いわゆる運動音痴)なあたしはもう無理。限界です。

立ち止まって、後ろから希唯君が来ていないことを確認してからはぁはぁ、乱れる息を整える。

明日絶対筋肉痛だ…っ。

希唯君のバカ、と今日何回心の中で言っただろう。


じわっと滲む涙は未だ希唯君に対して傷ついてる証拠。思い出しただけでムカムカするし、悲しい気持ちになる。


『希唯君のバカ野郎…』


ゴシゴシ、カーディガンの袖で濡れる瞳を拭って、ぽつりと零した愚痴は静かな廊下に虚しく響いた。


と。


「コラー!そこの女子!さっさと自分のクラスに戻れ!」


間髪入れず、次いで廊下に響いた怒声。で、でかすぎるよ…っ。

この声は聞いたことがある。学期毎の終業式で代わり映えしないワンパターンの夏休み冬休みの過ごし方を毎回熱く語る生活指導の薄井(うすい)先生だ。

もう40歳過ぎてるのに未だ独身。な上に超熱血教師。言葉を悪くすると暑苦しい。

噂ではその暑苦しい性格の所為で奥さんに離婚を要求されたのだとか。それは薄井先生が27歳の時の話(噂)。
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