Love.Love.Loving!

と。


「まーた一人で食ってんの?香彩」


聞き覚えのある柔らかいバリトンが鼓膜を擽る。

え?と持ち上げた顔の先には「久しぶり」太陽の光で金色になっているカスタードベージュの長めの前髪を七三に分けてかきあげたような前髪が相変わらず大人っぽい髪型。えくぼを作ってふんわりと笑う――…。


『っ奏君!』


幼稚園の頃からの幼なじみで、あたしより一つ上の先輩。音也奏(おとや かなで)君の姿。

基本かーなーり、優しくて温厚な奏君。希唯君と同類で女の子たちにキャーキャー騒がれている第二の王子様。

だけど、外見はやや不良チック、というか悪く言えばチャラい。


くわえてしょっちゅう変わる髪の色。耳には希唯君よりも多いピアス。

首には小さな王冠のネックレスに、指にはまる指輪も多数。でもどれも可愛くてオシャレ。

制服も――…うん。スラックスは腰穿き。ワイシャツのボタンを大胆に三つ外してて。は、肌が見えちゃってますよ奏君…っ。

まあ小さい頃から幼なじみで優しいお兄ちゃんとしか奏君を見ていないからなんとも思わないけど、さ。


『奏君、ずーっと休んでたでしょ?』

「うん。サボり〜」
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