Love.Love.Loving!
と、心の中で希唯君にそう毒づけば、うっすらと霞むだけだった視界が本格的に霞んできて、意識も朦朧としてくる。
『(うあー…、気持ち悪い…)』
気分も悪化してきた。
そんなあたしを希唯君は変に思ったのだろう。
「香彩…?」
どうした、と窺うように呼ばれた名前も、まるでどこか遠くで呼ばれているような感覚。
今日で7月に突入した太陽は水色の空に紛れ、相変わらずギラギラと輝いてアスファルトを照りつけていた。
だけど校舎の中にいるあたしと希唯君には直接光は当たらなくて。
日陰のない外よりは大分まし、なんだろうけど、それでもムシムシとした夏特有の蒸し暑さは変わらない。
そんな空気の中で、希唯君に抱きしめられたり、キスされたり、あんな笑顔を見せられたり。
体温が確実に上がることをされたら、蒸し暑い空気も理由につけてのぼせてしまうのも無理はないだろう。
それでも、こののぼせたときと似たような気分の悪さは、1が夏の所為。残りの9は全部希唯君の所為。
結論付ければ、夏の暑さなんて、殆ど理由に入らない。
「おーい、香彩。聞いてる?」