Love.Love.Loving!

あたしよりも広い男の子をした背中をバシバシ、音が鳴るくらい強く叩く。


しんどいのに。気持ち悪いのに。

入らない力を無理に入れてそこまで希唯君に下ろしてと必死で訴えるのは、本当に死んじゃうと思ったから。

すでに特例を出しているあたしの身体はもう、たぶん、きっと、絶対に。限界だ。


これ以上希唯君に触られたらどろっどろに溶けてしまうかもしれない。原型皆無になるかもしれない。スライムになるかもしれない。

…え、それはやだな。

なんて、冗談でも冗談にならないところまできてしまっているのが今の現状。


やっぱり希唯君が触れる場所が一番熱い。チリチリ、火傷したみたいに熱くて、たまんなくって。

リノリウムの廊下に溢れてきた涙をぽろぽろ落としながら背中を叩き続けていたら、

「痛いって」

ちょっとムッとした声で言われた。それから、脅迫まがいなことまで言ってきた希唯君。


「香彩ちゃん気持ち悪いんでしょ?おとなしくしててよ」

『っや、や、だ。下ろ、して、』

「嫌」

『(意、地悪…!)っ下ろして、よぉ…』

「やだ無理やだ嫌。次背中叩いたり暴れたり〝下ろして〟とか言ったらスカート捲ってパンツ見ちゃうからね。超ガン見しちゃうからね」
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