ホワイト・メモリー
ジョギングから戻ると、デスクの上の携帯のメールの受信ランプが点滅していた。気のせいかと思ったが、やはり点滅していた。功の個人携帯にメールや電話がくることは滅多にない。功は「メールの受信ランプは青だったけな」と、ぼそっと独り言をこぼして、どうせいたずらメールか何かだろうと思い、とりあえずシャワーを浴びた。
思いっきり汗を流した後のシャワーは、功にとって祝福のひと時だ。この気持ち良さを知らない世の中の運動嫌いの人間達は、相当人生を損して生きていると思った。
シャワーからあがって、携帯を開けた。メールは菊池からだった。
菊池は功の二年後輩で、同じ会計コンサル事業部の人間だ。菊池が新入社員のとき、功は菊池のOJTを担当していた。功にOJTを任せた人事部の人間は、功の性格が性格なだけに、途中で菊池はへたばってしまうのではないかと心配していたらしい。
しかし、OJTはうまくいった。功のやり方が特別うまかった訳ではない。菊池の方も“性格が性格なだけに”だったのである。
思いっきり汗を流した後のシャワーは、功にとって祝福のひと時だ。この気持ち良さを知らない世の中の運動嫌いの人間達は、相当人生を損して生きていると思った。
シャワーからあがって、携帯を開けた。メールは菊池からだった。
菊池は功の二年後輩で、同じ会計コンサル事業部の人間だ。菊池が新入社員のとき、功は菊池のOJTを担当していた。功にOJTを任せた人事部の人間は、功の性格が性格なだけに、途中で菊池はへたばってしまうのではないかと心配していたらしい。
しかし、OJTはうまくいった。功のやり方が特別うまかった訳ではない。菊池の方も“性格が性格なだけに”だったのである。