高熱にベッド<短&番外>
またキスされる、と思って目を瞑る。
「………」
しかし、身に構えた感触は、唇には無く。
私は恐る恐る片目を空ける。
すると、そこには、
「嫌、なんだ…ふーん」
拗ねてる口調の言葉を吐くくせに、ニヤニヤと楽しそうな永樹さんの顔が。
「な、なんですか…!」
怖い。
今度は何を言いだすんだ。
危険を感じてびくつく私に、永樹さんは、耳元に顔を寄せて…
『…の割には気持ちそうだったけど?』
「……な…っ!!」
永樹さんはそれだけ言って、急に立ち上がった。
『…にしても…、キスばっかしてもなぁ…。
別にこんなキス、手錠しなくたって出来るし…………』
そして口に手を当てて、ブツブツ言っている、
とてもいかがわしい事を。
『そうだ…』
そして、とびきり妖しい笑みを浮かべてキッチンに向かった永樹さんの背中を見つめ、とびきり嫌な予感がした。