隣の狼にご注意を♥
そんなことを思ってる間に、
川崎くんはあたしと壁の間を
するりと通り、部屋に入ろうとする。
「ちょ、ちょっと待って!」
部屋に入ろうとする川崎くんを
慌てて引き止める。
「き、聞いたよ。
川崎くんの過去…。
あこちゃんから…」
話し始めたものの、
川崎くんの顔を見れず、
下を向いたまま続ける…。
「あんな過去があったら、
女嫌いになるのもわかる。
けど、あたしが……」
ドンッ――!!
鈍い音。
それは、川崎くんが壁を叩いた音だった。
そして、あたしの顔のすぐ隣には、
強く握られた川崎くんのこぶし。
あたしは、川崎くんと壁の間に
挟まれている状態。
鋭く睨んでくる川崎くんに、
あたしは蛇に睨まれた蛙のように動けない。
「……なんなの、お前」
静かになった廊下に、
川崎くんの低い声が響く。
しかも、さっきよりもはるかに低い。