変人執事とツンツンお嬢様
当たり前のように、黒くピカピカな車に乗って
そのドアは彼が開けてくれて
当たり前のように、お金持ちな高校の門をくぐる。
本当は普通の学校がよかったけど、独り暮らしを始めたからといって、私に決める権力はない。
「……桜か…」
下駄箱につくまでの間、上を見上げて歩く。
まだ満開になりきっていない桜の木が、いくつも並んでいた。
「…弥呼さま?」
「……私は…一生…」
私の異変に気付いた零慈くんが聞いてきた。
桜を見ていると悲しくなる。
自分の無力さが…どうにも露になるから。
私は、一生
家柄に縛られていくのだろうか。
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